「旧ブログから移行した投稿」カテゴリーアーカイブ

PCのバグで一度ブログから消えた記事を、再投稿しました。経緯はあまり覚えていませんが、なぜかすべて2014年の投稿でした。

あべのハルカスへ

(2014/09/02)

大阪の”あべのハルカス(近鉄百貨店本店)”で開催されるイベントに、9月4日から10日まで参加させていただく。今回のイベントには、近鉄百貨店の方にお声掛けいただいて参加することになった。”あべのハルカス”のことはよく知らないが、私が普段あまり出掛けることが無いような煌びやかな場所だという事は分かっている。天候不順、災害、食料品等の値上げ報道が発信され、どちらかというと社会的には不安要素の方が多くなっている最中ではあるけれども、行くからには道中も含めて楽しみたいと思っている。


 

イベントの時はいつもぎりぎりまでモノを作っている。余裕をもってイベントに臨んだことが殆んど無い。なぜそうなるのか、ある程度は分かっているのだが、未だにこのような状況から抜け出していない。「次回からは余裕を持ってイベントに臨みたい」と大変な状況になるたびに、いつも思う。

土鍋の展示をメインにしてほしいという要請を先方から受けているので、そのような品揃えにしたが、予定通りに作業が進まず、持ち込みを断念した物が何種類かある。今月に入ってから数日前までは焦っていたが、今となっては開き直らざるを得ず、気持ちは落ち着いている。

予定のアイテムが揃えられなくなったため、急ぎ制作に入ったグラタンポット。型の数が少なく、生産効率が悪いが、鍋に比べると小ぶりで扱いやすく歩留まりがいい。とは言っても時間不足で、少ししか作れなかった。



最後はガス窯のお世話になった。

製造プロセスのこと

(2014/08/25 )

原料の調合

 物作りには製造プロセスがある。焼き物にもそれは当然ある。この製造プロセスというのは物を作る時の工程のことと云ってもいいだろう。例えば私の土鍋作りの場合そのプロセスは、およそ以下の工程に分けられる(尚、掲載した写真は必ずしも一連のものではない)

型作り
  • 形状の決定
  • 原型製作
  • 元型(使用型)制作
  • ケース型制作
  • 使用型(生産型)制作

 

 

 

 型には、技術的な部分も含めて、製品のコンセプトの全てが凝縮されている。全行程に亘って制作の全てはこの型によって決定(規定)される。型に破綻があったり技術的な無理があったりすれば、まともな製品を作ることは出来ない。それは一元的な物ではなく、作ろうとする製品の全ての製造プロセスと複合的・多元的に絡み合っている。

土作り  

  • 原料の選定
  • 調合割合の決定
  • 調合
  • 攪拌
  • 分粒
  • 調整(各種邂逅剤)
攪拌機


 
釉作り

  • 原料の選定
  • 調合割合の決定
  • 調合
  • 粉砕
  • 分粒
  • 調整(水・凝集剤・邂逅剤)

成形

  • 排泥鋳込み形成
  • 圧力鋳込み形成
  • 手押し形成
  • 接合
  • 仕上げ

 

接合作業

乾燥

  • 治具を使用(・・・この治具も自作。製造プロセスがある)

素焼き

  • 焼成治具を使用

施釉

  • マスキング(養生テープ・ラテックス)
  • 流し掛け
  • 浸し掛け
  • スプレー掛け
マスキング(ラテックス)

焼成

  • 治具を使用

 

仕上げ

  • ペーパーかけ、他

     思いつくままに列挙したので厳密にいえば不備もあるかもしれないが、大まかなところは以上のようになる。細かく言えば、各工程のそれぞれに更に様々なプロセスがあり、それらを包括したものが製品の製造プロセスということになる。

 ただし以上は、単に製品を作る時に行なう作業のみのプロセスに過ぎず、実際にはその前段階として、作る物を決めること、つまり製品のコンセプトや形体の考案、繰り返される試作がある。製造プロセス全体に対するこの部分の比率は大きい。仮にそこまで含めるとすれば、そのプロセスは膨大なものになる。 

  • 形体の考案
  • 試作(もしくは試作の為の型作り→試作)
  • 検証
  • 製造方法の決定(型による成形・ロクロによる成形・その他の方法による成形・等)
  • 型の制作・素地の制作等
  • 各方法により制作
  • 検証
  • モニタリング
  • 製品化←→改良(このプロセスを繰り返す)

 ざっと思い浮かべてみたが、これらの作業を常に繰り返しつつ、前述の製造プロセスをさらに繰り返すというのが私の日々の仕事だ。検証には試験機関でのテストも加えられる。土鍋の場合、熱膨張試験を公的試験機関で行なう。曲げ強さ試験などは、試験機関での自主試験として行なう。工房では、収縮率・吸水率・耐火度・その他の測定と耐熱衝撃試験等を行なう。また素地(土)と釉は何種類も作り、テストを重ねて決定し、さらに改良することが多いので、そのプロセスも長く続く作業となる。

素地のテストピースの一部

  このピースは焼成済みの鋳込み品。素地の総収縮率の測定と曲げ強さの測定に使用する。ただし、テストピースはあくまでも目安にすぎず、最終的な試験は製品そのもので行なう。 

 

自分で書ける場として

(2014/08/11)

 
  以前、前橋市在住の方から、ガーデンコンテナーに関する問い合わせの電話があった際、最初に確認されたのが、「まだやっていますか?」のひとことだった。無理もない質問だと思った反面、「なんとかしなくては」と思った。・・・ホームページを持っているにも拘わらず、そこにニュースを書くことが出来ず、更に、自分が作っている製品が以前のそれと比較して大きく変わっているにも拘らず、そのことすら何一つ発信できない状況が何年も続いていた。

 仕事がらみで関わった方々は、それぞれのブログやホームページなどで、そのイベントのことを発信し、時には私のことを書いてくれたり、紹介してくれたりする事もある。しかし私にはそれが出来なかった。そしてこのことは、それなりのストレスとして在り続けた。そのストレスを解消するためにも、自分のブログを作る気になった。

 
  製品の説明文や、仕事上の様々な書類や、個展の挨拶文を書く時くらいしか文章を書かなくなってから久しいが、もともと文章を書くのが好きなので、書く機会には常に充実感を味わっていた。以前はもっと頻繁に文章を書いていた。・・・今、こうしてブログを始めてみると、その時の感覚が蘇ってくるのを感じる。

 このブログは、仕事に関することを発信する場だと考えている。しかしそれだけでは更新頻度が年に数回ということになってしまう可能性もある。それはそれで前述の必要は満たしているが、せっかくこの場を持つことが出来たのだから、今後のこのブログの内容をニュースのみに限定しようとは必ずしも思わない。今は、表示方法やこのブログのスタイルについて、いろいろと試している段階でもある。不明なことも多いので、暫くは試行錯誤が続くだろうと思う。


 

ギャラリー工(遅ればせながら②)

(2014/08/02 )

再び事後報告になるが、5月16日~5月22日に東京都杉並区の、〔ギャラリー工〕で開催された企画展、『Mina Favoriter 私のお気に入り』 に参加させていただいた。
陶磁器と塩とハーブという、食卓をとりまく要素で構成された企画展で、参加したのは、以下の3人(組)の方々と私だった。

  • 長谷川風子(陶)
  • GLAMSALT(塩)
  • N.HARVEST(ドライフルーツ・スパイス)

 「絵を描きたい」と語っていた長谷川さんのその作品は、触れる者を詩的な別世界へと誘(いざな)う。

 
 ギャラリー工は、様々な植物に彩られたどこか懐かしいような小道と、大きな欅のシンボルツリーに囲まれた現代的な建築の一階部分にあり、小鳥が訪れるその緑の小庭を大きなガラス越しに眺めることができる都市の中の小さなオアシスのような空間だった。

尚、来年も同時期にギャラリー工の企画展に参加させていただくことになった。

「ご来廊いただいた皆様、共に参加した皆様、ありがとうございました。」

型作り(2)

(2014/07/30 )

蓋の原型作り
型作りの工程は、①原型 ②元型(使用型・捨て型) ③ケース型 ④使用型という段階を経るのが通例だったが、いまどきは機械で行う事も多い。3Dプリンターで制作したり、3次元測定機のデータから機械で削ったりする。その場合は原型を作らず、いきなり使用型(捨て型)を削りだしてしまう。だから、型屋さんの仕事が減ったらしい。私は今は従来の方法(とは言っても多分に自己流)で制作しているが、今後は、一部を機械による型作りに移行することも考えている。
 
内側が仕上がった

積層による凹凸が表面に出来るので、3Dプリンターによる成形品は型としては使えないという。3D成形された物は、主にサンプルモデルとして利用されているらしい。

外側を削る

削りの途中
ほぼ完成

 初めに図を書き、その寸法で制作するが、実際に本体と蓋を組んでみるとバランスが合わなかたりすることもある。結局4個の蓋の型を作った。

最終的にこの型に決定した