(2014/08/25 )
| 原料の調合 |
物作りには製造プロセスがある。焼き物にもそれは当然ある。この製造プロセスというのは物を作る時の工程のことと云ってもいいだろう。例えば私の土鍋作りの場合そのプロセスは、およそ以下の工程に分けられる(尚、掲載した写真は必ずしも一連のものではない)。
- 形状の決定
- 原型製作
- 元型(使用型)制作
- ケース型制作
- 使用型(生産型)制作
型には、技術的な部分も含めて、製品のコンセプトの全てが凝縮されている。全行程に亘って制作の全てはこの型によって決定(規定)される。型に破綻があったり技術的な無理があったりすれば、まともな製品を作ることは出来ない。それは一元的な物ではなく、作ろうとする製品の全ての製造プロセスと複合的・多元的に絡み合っている。
土作り
- 原料の選定
- 調合割合の決定
- 調合
- 攪拌
- 分粒
- 調整(各種邂逅剤)
| 攪拌機 |
釉作り
- 原料の選定
- 調合割合の決定
- 調合
- 粉砕
- 分粒
- 調整(水・凝集剤・邂逅剤)
成形
- 排泥鋳込み形成
- 圧力鋳込み形成
- 手押し形成
- 接合
- 仕上げ
| 接合作業 |
乾燥
- 治具を使用(・・・この治具も自作。製造プロセスがある)
素焼き
- 焼成治具を使用
施釉
- マスキング(養生テープ・ラテックス)
- 流し掛け
- 浸し掛け
- スプレー掛け
| マスキング(ラテックス) |
焼成
- 治具を使用
仕上げ
-
ペーパーかけ、他
思いつくままに列挙したので厳密にいえば不備もあるかもしれないが、大まかなところは以上のようになる。細かく言えば、各工程のそれぞれに更に様々なプロセスがあり、それらを包括したものが製品の製造プロセスということになる。
ただし以上は、単に製品を作る時に行なう作業のみのプロセスに過ぎず、実際にはその前段階として、作る物を決めること、つまり製品のコンセプトや形体の考案、繰り返される試作がある。製造プロセス全体に対するこの部分の比率は大きい。仮にそこまで含めるとすれば、そのプロセスは膨大なものになる。
- 形体の考案
- 試作(もしくは試作の為の型作り→試作)
- 検証
- 製造方法の決定(型による成形・ロクロによる成形・その他の方法による成形・等)
- 型の制作・素地の制作等
- 各方法により制作
- 検証
- モニタリング
- 製品化←→改良(このプロセスを繰り返す)
ざっと思い浮かべてみたが、これらの作業を常に繰り返しつつ、前述の製造プロセスをさらに繰り返すというのが私の日々の仕事だ。検証には試験機関でのテストも加えられる。土鍋の場合、熱膨張試験を公的試験機関で行なう。曲げ強さ試験などは、試験機関での自主試験として行なう。工房では、収縮率・吸水率・耐火度・その他の測定と耐熱衝撃試験等を行なう。また素地(土)と釉は何種類も作り、テストを重ねて決定し、さらに改良することが多いので、そのプロセスも長く続く作業となる。
| 素地のテストピースの一部 |
このピースは焼成済みの鋳込み品。素地の総収縮率の測定と曲げ強さの測定に使用する。ただし、テストピースはあくまでも目安にすぎず、最終的な試験は製品そのもので行なう。