(2014/11/28)
土鍋を作る時は、始めに必ず試作をする。土鍋の場合、時間が経過した素地(泥漿)や釉薬は、可溶性塩類が溶出し、僅かに成分が変わることがある。だから、以前の制作から時間が経っている場合は、素地も釉薬も、新たに作ってから制作に入る。必要以上に作り置きはしない。基本的には、いつも同じ原料を使って制作を行なうが、購入した時点での原料の変化ということも起こり得る。土鍋は道具だから、品質を保つことは重要だ。出来上がったモノが、本来備えるべき品質を保持しているかは、現物でテストしなければ実際は分からないと思っている。また、私の場合、一年中同じものを作っているということは無いので、土鍋を作る時は、「久し振りの作業」という事になる場合が多い。だから、制作の手法も確認する必要がある。技術を要する部分も多いので、過不足の無い”制作のカン”を取り戻すには、試作が必要だったりもする。それによって、制作工程と製品機能の双方を再確認する。
写真は、素焼きもしていない焼成前の土鍋。いつも思うのだが、焼成前のモノは、土の表情が柔らかくて、本当にいい。焼いてしまうと、(仮に無釉のまま焼いたとしても)より硬質な感じになり、この土の表情は、失われてしまう。「もったいないなぁ」といつも思う。