来年の前半は予定が多く、忙しくなりそうなので、少しでも余裕が出るようにと多めに作っているが、折からの低温で鋳込み作業が捗らず、制作に時間をかけている割に数は少ない。
「旧ブログから移行した投稿」カテゴリーアーカイブ
PCのバグで一度ブログから消えた記事を、再投稿しました。経緯はあまり覚えていませんが、なぜかすべて2014年の投稿でした。
時計型ストーブの設置
工房に薪ストーブを設置する準備を始めたことは前回書いた。作業を始めたところ、今まで怠けて手を付けずにいた工房のあちこちの不備がやたらと目についてしまい、かなり大がかりな、工房の整備となってしまった。
そもそも薪ストーブは、ただ置けば良いというモノではなく、煙突をつけなければならない。昨年まで設置していた薪ストーブは、訳あって今年は使用できず、今冬は、予備としてストックしていたホンマ製の時計型薪ストーブを設置することになった。昨年使用していたストーブとは径違いの煙突設置となり、しかも、夏に屋根のトタンを張り替えたばかりなので、屋根に新たに穴を空けて、水仕舞をする必要があった。来シーズンは、またストーブが変わる予定なので、煙突の位置決めには、それも考慮しなければならなかった。
1日で全てを終わらせるつもりでいたが、工房内設備の配置換えも必要になり、予定を超過して作業を終えた。
磁器タンブラー
友人から「磁器タンブラー」の注文をいただき、無事に納品した。ご両親の金婚式のお祝いの品にして下さるという有り難いお話だった。
磁器は近頃あまり作らなくなったが、制作をやめたわけではない。未完成の課題があり、これは続きに取りかかりたいと思っている。発送の準備をしながら、磁器に対する制作意欲が疼いた。
石油ストーブ(2)
石油ストーブをもう一つ。このストーブは、約30年も前に購入した「コロナ」製の対流型石油ストーブだ。今でも問題なく使用できているのだから、シンプルな構造のストーブというのは本当にいい。熱は横方向には殆んど広がらずに上昇する。対流型の名前のとおり、上昇した熱気は、天井にあたって横方向に拡散し、さらにその先で側壁に当たって下降し、循環しながら部屋を暖めるという方式だ。実際に使うと、天井近くと足元に温度差が出来ることを実感することが多い。シーリングファン(や扇風機)をうまく利用すれば、室内の上下の温度差は少なくなるのだろうが、ファンが無い部屋では、温度差を小さくすることは難しいだろう。
「ブルーヒーター」・「ブルーバーナ」というストーブをご存じだろうか。ブルーヒーターは「ダイニチ工業」製、ブルーバーナは「コロナ」製の大型業務用石油ストーブだ。これらのストーブは、熱気が上昇しないで横方向に拡散するように、ストーブ本体にファンを装備している物が主流だ。これは、上記の欠点を解消したモノだろう。
そんなことで、写真のストーブにも小さなファンを取り付けてみた。手元にある物のみで、しかも急いで作ったので、見栄えは良くないが、これが、効果抜群だった。もともと、当工房で使うには、カロリー不足ではあったが、いままでは工房でこのストーブを焚いても、ストーブがあるのか無いのか分からないような状況だった。それが、ファンを付けたところ、明らかに温度上昇を実感できるようになった。ファンは簡単に取り外してファン無しでやかんを掛けることも出来る。
今年は、ごたごたしていて、工房の薪ストーブの準備が出来ず、石油ストーブと電気ストーブの併用で冬を乗り切ろう、と思っていたのだが認識が甘かった。土鍋の鋳込み作業は、気温が15℃以下になると、1℃下がるごとに、鋳込み性が悪化し、12℃以下になると、作業効率が極端に悪くなってしまう。少し前までは、この石油ストーブだけで、工房内の温度は約15度まで上昇していたので、このままいけると思っていたが、ここ数日の気温の低下にともない、12度まで温度を上げることさえ出来ないことが明らかになった。鋳込み作業の遅れに伴い、今頃になって、慌てて薪ストーブ設置の準備をはじめた。まったく何をやっているのか、と自分に言いながらも、薪ストーブの設置準備をするのは嬉しい。とはいえ、時間に余裕はない。
焼成前の土鍋
土鍋を作る時は、始めに必ず試作をする。土鍋の場合、時間が経過した素地(泥漿)や釉薬は、可溶性塩類が溶出し、僅かに成分が変わることがある。だから、以前の制作から時間が経っている場合は、素地も釉薬も、新たに作ってから制作に入る。必要以上に作り置きはしない。基本的には、いつも同じ原料を使って制作を行なうが、購入した時点での原料の変化ということも起こり得る。土鍋は道具だから、品質を保つことは重要だ。出来上がったモノが、本来備えるべき品質を保持しているかは、現物でテストしなければ実際は分からないと思っている。また、私の場合、一年中同じものを作っているということは無いので、土鍋を作る時は、「久し振りの作業」という事になる場合が多い。だから、制作の手法も確認する必要がある。技術を要する部分も多いので、過不足の無い”制作のカン”を取り戻すには、試作が必要だったりもする。それによって、制作工程と製品機能の双方を再確認する。
写真は、素焼きもしていない焼成前の土鍋。いつも思うのだが、焼成前のモノは、土の表情が柔らかくて、本当にいい。焼いてしまうと、(仮に無釉のまま焼いたとしても)より硬質な感じになり、この土の表情は、失われてしまう。「もったいないなぁ」といつも思う。