それにしても11羽ものニワトリを1夜のうちにキツネは持ち去るのか? 複数頭の仕業なのか? 3方向への足跡は確認できたが・・・。生態を少し調べてみると、キツネは春に数頭の子を産み現在はおそらく子育て中で、オス以外にも、前年に生まれたメスが子育てに協力している可能性があることがわかった。 これらのことからニワトリを襲ったのは複数である可能性が高いと推測できる。
数日後、別のご近所さんに聞いたところ、その方の畑にも何者かが掘り返したような穴があり、鳥の黒い羽根が落ちていたとのことだった。うちで飼っているニワトリは「名古屋コーチン」と「ネラ」で、そのネラはまさに黒い羽根をまとったニワトリだ。おそらくその穴は、(この事件が仮にキツネの仕業だとすればキツネが)事件の夜に得たニワトリを一度そこに埋めて、後で掘り返して持ち去った跡ではないか。そして先述の私が持ち帰った名古屋コーチンは、やはりそのようにして一時的な保管場所として埋められたと推測できる。その後、近所を散策がてらリサーチを続けていると、工房から500mほど離れている場所に、ニワトリのものと思われる黒い羽根の塊が落ちてもいた。
以上から以下が推測できる。
- 4月13日の夜から14日の朝にかけて(おそらく明け方)、すでに運動場に出ていたニワトリに目を付けて、複数のキツネが運動場部分の防獣網を破り運動場に侵入した。
- その際、ニワトリは運動場と小屋との境の子扉から小屋へと逃げた。
- 運動場に侵入したキツネは、子扉から小屋内に侵入してニワトリを襲い、何羽かを仕留めた。
- 何羽かのニワトリは子扉から運動場に逃げた。
- キツネもニワトリを追いかけて運動場に戻りそこでも何羽かの鶏を襲った。
- 何羽かは小屋の外にも逃げたかもしれないがそのニワトリも襲って仕留めた。
- 仕留めた11羽は、何頭かのキツネがそれぞれ一羽ずつ銜えて持ち去り、小屋との間を何往復かして一時的な保存のために分散して各所に埋めた。
- 翌日以降、順次掘り返して食べた。
以上は推測の域を出ないが、今後、事態の甘い予断は許さない状況だろう。