先日、久しぶりに小麦を挽いた。うちではうどん用の小麦「農林61号」と、群馬県のパン用小麦「ダブル8号」をストックしていて、今回は「ダブル8号」を挽いた。このところ、うどんも打たずパンも作らずだったけれども、正月に久しぶりにうどんを打って、集まったみんなで食べた。この時はうどん用の小麦粉を購入して使った。

私の生活圏に近い館林市に、日清製粉の「製粉ミュージアム」があり、以前見学に行って学んだのだが、日清製粉では「ピュリファイヤー」という機械を使っている。ピュリファイヤーは、上方向への気流によって微細なフスマを除去することができる機械で、この工程を経た小麦粉を使用すると、より白いうどんやパンを作ることができるということだ。
さすがにピュリファイヤーは持っていないので、うちでは製粉したフスマと粉の混合物、つまり一切の足し引きを行なわない状態から、篩でふすまを除去して製粉完了となる。だからその粉でうどんやパンを作ると白くならずに黒味が強いものになるのだと思う。
そのように考えると出来上がったうどんやパンの色は、それらの素性を推測する要素にもなり得ると思えてくる。黒味の強いうどんやパンは、ピュリファイヤーを備えていない小規模な施設や個人宅で製粉した小麦粉で作られていると考えられるだろう。
『アルプスの少女ハイジ』に出てくる「白パン」と「黒パン」は、ピュリファイヤーにかけた粉で作ったパンと、かけない粉で作ったパンの違いなのか?「ピュリファイヤー」がアメリカで考案されたのが1854年で、 ヨハンナ・シュピリが『アルプスの少女ハイジ』を出版したのが1880年から1881年ということなので、シュピリが『アルプスの少女ハイジ』を執筆した時にはピュリファイヤーは既にあったことになる。
それらの粉でパンかうどんを作って、私が違いを実証すれば良いのだろうけれども、そこまでやる余裕はない。